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「肩こりの物語」その5

医学生時、ペインクリニックの「痛みの悪循環モデル」という概念、そして麻酔薬で「神経ブロック」を行い「悪循環を断つ」という概念に驚き、自分の肩こりの原因はこれではないか?いやこれに違いない!と思いました。

【痛みの悪循環モデル】

「痛みの発生(発痛物質の産生)」→「知覚神経・交感神経の興奮」→「血管攣縮・筋緊張亢進」→「末梢循環障害」→「組織酸素欠乏・代謝産物蓄積」→「痛みの発生」

と悪循環が続く。この神経の興奮に対し、神経ブロックを行い悪循環を断つ。

 

自分でもペインクリニックに関する文献を調べ、大学で出される課題にも「頚肩腕症候群と痛みの悪循環」などといった内容のレポートを書き、いよいよ日本で一番と考えられている施設を実際に受診することにしました。

 

神経ブロックには様々な種類がありますが、※トリガーポイント注射と※星状神経節ブロックが自分の肩こりには必要と考えました。自分が医学生であること、このような理由から治療を希望している旨をお伝えし、先生にお願いしました。また、ペインクリニック医になるにはどうしたらいいかも聞いてみました。

医学生とはいえ、自分で治療方針を決めるのはいかがなものか…と思いますが、若気の至りということで。当院では、患者さんの希望される治療も十分考慮した上で、専門家としての意見をお伝えしていますので、遠慮なくお話しください。

※トリガーポイント注射:痛みの引き金となっている筋硬結(筋肉が収縮し凝り固まっている部分)部に麻酔薬を注射し、神経の痛みの伝達を遮断する。これを繰り返し、痛みの悪循環を断つ。

※星状神経節ブロック:頚部・肩・腕などを支配する交感神経(血管を収縮させる神経)の神経節を麻酔薬でブロックする。これにより血管が拡張・血流を改善させ(交感神経緊張状態の緩和)、様々な症状を緩和させる。

 

先生はしっかりお話を聞いて下さり、トリガーポイントも星状神経節ブロックも受けました。星状神経節ブロック後は、ホルネル徴候(縮瞳、眼瞼下垂、結膜充血など:交感神経ブロックの影響)もはっきり確認され、「教科書通りだ、これは効くかもしれない」と思いました。

当日は少し楽になった程度でしたが、悪循環を断つにはまだまだ治療が必要だ、と考えブロックを続けました。

 

・・・その後、特にトリガーポイント注射に関しては数え切れないほど繰り返し受けました。他のペインクリニックにも通いました。トリガーポイントは局所麻酔薬ですから注射した後はジーンと麻痺した感覚になり(歯科での抜歯の麻酔と同じ仕組みです)、痛みが楽になります。しかし、2年間神経ブロックを続けましたが、残念ながら効果が切れるとまた戻ってしまっていました。

「これは自分の肩こりには効かないかもしれない」と思い始めていましたが、その時点では他に良い治療が思い浮かばず、もう少し頑張ったらもしかしたら痛みの悪循環が途切れるかも…との希望もまだ持っていました。いずれにしても、痛みの勉強をするにはペインクリニック(麻酔科)を専門にするのが良かろう、などと考えつつ、医師国家試験に突入しました。

神経ブロックに関しては、適応(どの患者さんには適切で、どの患者さんには不適切か)をよく見極めることが重要です。例えば、急性~亜急性(痛みが出てから比較的早期)の間は中枢性感作(痛みの信号による中枢神経系への影響)がまだ大きくない時期であり、積極的にブロックを行い中枢性感作を防ぐことで、慢性痛へ移行しないようにするのも非常に価値があると考えます。また、癌性疼痛(癌による痛み)を積極的に緩和するために、内服薬とともに神経ブロックを行うのも非常に患者さんの役に立ちます。しかし、器質的な損傷が明らかではない「慢性痛」に関しては、ブロックの効果は限定的と考えます。むしろトリガーポイントなどを繰り返すことで局所の皮下組織の損傷・線維化が進み、逆に硬結が生じてしまっているケースも散見します。

 

 

 

晴れて医師になりましたが、まだまだ「自身が慢性的な肩こりに悩む医師」であり、その解決法を見出せないままでいました。

 

~「肩こりの物語」その6に続く~

 

 

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